☆ ☆  『冷血』 サイン会 & トークショー / レポ  ☆ ☆



去る2013年1月30日、高村薫 トークショー & 『冷血』 サイン会に行ってきました。

以下は、そのご報告っす。


                       


開場は18:30でしたが、その前にはもう会場前に結構な行列が出来てました。
丸善本屋の3階の一角に会場となる場所が有った為、本屋の店舗内に並ぶ形になり
事情を知らない一般の本を買いに来たお客さんは 「この行列は何じゃいね??」 みたいな顔をして通り過ぎて行く。
実際、あたしの後ろに並んでいたお姉さんは 「この行列は何なんですか?」 と、通りすがりの兄ちゃんに聞かれ、恥ずかしそうに 「サイン会です・・・」 と答えていた。

ところで、サイン会の客層の割合を見たところ、オッサン率がかなり高めの様な気がしたが、あたしの気のせいか?

予定通りに18:30に会場の中へ通される。
その際、整理券のチェック有り。会場を出入りする度に整理券のチェックがあるらしい。
やはり、整理券無しでドサクサに紛れて会場に入り込むのは無理らしい。 (当たり前だっ)。

トークショーが始まるのは19:00。
その間にアンケート用紙が配られ、高村薫先生への質問などを書き込む。
運が良ければトークショーで採用され、高村先生にお答え頂けるらしい。
ワクワクしながら質問書き込むが、採用されずガックリ。

19:00 トークショー開始。
高村先生、会場の後ろから歩いて登場!!
(歩いてじゃなけりゃ何で登場するというのだ。まさか何か乗り物に乗って登場するってのかっ)
その際、あたしの真横を通る。距離にして30cmぐらいか? (ごめん、ちょっと自慢入りました m(__)m )。
高村先生の全身がバッチリ丸見えの美味しい席でした

トークショーの最中は何度も笑いが起きるが、あたしはメモを取るのに必死でみんなの笑いについて行けず、1人だけ真顔。
かなりアヤシイ奴に見えたかもしれない・・・(汗。
なんせ、ひと言も聞き逃すまいと聞き耳を立て、話の内容のメモを取り、高村先生の御姿を目に焼き付け、と、3つぐらいの事を同時にやっていたから必死だったのさ。
しかも、それプラス、サイン会で話しかける言葉をこの場に及んで、まだ考えてたし。
(必死過ぎて笑えるでしょ?あたし)。
※トークショーの内容はココでは端折ります。 (この後に続く ~トークショー ・ レポ~ で書いてます)。

そしてトークショーの後は、待望のサイン会。
会場の前の列から順番に、高村先生の前に行きサインをもらう。
その際、サインに自分の名前を書いてほしい人は整理券の裏に自分の名前を書き高村先生に渡す。
ほぼ100%の人が、名前を書いて渡したハズ。
高村先生は、ひとりひとり丁寧にサインをし、参加者ひとりひとりの名前を間違わない様に細心の注意を払い、サインを書くのに集中している様に見えた。
あまりに丁寧にサインをする姿に、話しかけるのを憚れるあたし。

けっきょく、あれだけ考えて言えたのは 「握手して貰っていいですか?」 の一言。
あたしのあんな場違いな質問は、高村先生を困らせるだけだろうと胸にしまっておく事にした。
当たって砕けるのとは、また違った意味で、見事に砕けてきましたぁーーーっ!
あははははは!!!!!・・・・・・・
みなさま、こんな小心者のあたしを笑って下さい!!

あぁ、 『やらないで後悔するよりやって後悔しろ』 の人生の教訓は、どこ行った・・・・

でも、事前のアンケート用紙には、しっかり書いたもんねっ!!
アレが高村先生の手にちゃんと渡っていたら、メッセージは伝わっているハズ

主催者の方は、あのアンケート用紙、高村先生に渡してくれたんだろうか??
気になる。

最後に、高村先生の握手はどんな感じだったかというと、すごく力強くギュッウって握ってくれた。
しかし、なぜか指先だけを握られちょっと痛かった。
贅沢を言えば掌全体を、ギュッウってして欲しかった。
あと笑って握手してくれたけど、目は合いませんでした
まぁ、欲を言ったらきりがないよねぇ。




~ 以下、 トークショー ・ レポ ~ (かなりいい加減)


この日の高村センセーのいでたちは、紺のニット (たぶんニット) のワンピースにロングネックレス、紺のタイツ、こげ茶のロングブーツというちょっとギャル風 (?) な感じ。
いや、ギャル風と言っても決して派手な感じでは無く、紺を基調にしたどっちかというと清楚系。
(これをギャル風と言うのか?・・・・・・汗)。
もっと地味目で大人な感じで来ると予想していたあたしは、高村センセーの予想外の可愛いらしい装いに、ちょっとビックリ。
高村薫さんというのは、頭がすごく切れて、ちょっと気難しくて、もしかしたら怖いお方なのかと勝手に想像していたあたしの予想は、しょっぱなから覆されたのでした。
しかし、ホントにとっても可愛らしい装いで、意外と ( 失礼っm(__)m) 高村先生にぴったりお似合いでございました


*   *   *   *   *   *


高村センセーの第一声は、確か自己紹介で始まった様な気がするけど (すみません、かなりうろ覚えです)
そのお声は、小さくて、か細い感じでした。
なんだか、会場の雰囲気に押され気味で戸惑っている様にさえ感じられました。
確か定員100名だったから、そんなに大人数では無かったし、めちゃくちゃデカい会場って訳でも無いのに、緊張していたのかな?

トークショーで高村センセー自身
「子供の頃は、人の輪に入れず隅っこでそれを観察している子だった」
「今でも集団がとても苦手」
と語っておられたし 「きっと大勢の人前に出るのは苦手なんだろうな~」 などと、みょーに独り納得するあたし。
                     ↑                      
             (あくまであたしの個人的な感想です)。 



以下 (ミミズの這った様な文字で書いた、あたしの閻魔帳から抜粋した) トークショーでの高村語録っす。            
ちなみに、下の青字はあたしのしょうもない感想。


                   ~ トークショー 高村語録 ~


「ICU大学時代は、ボーッといていて就活せず (成り行きで) 作家になった」
「専攻していたフランス文学は、消去法で (しかたなく) 選んだ」
「学生時代から30歳すぎるまで、自分で自分が不安になるような人生」
・・・・・・・た、高村センセー・・・。 (あたしと一緒や)。 しかし高村さんはこの後、作家となり立派にやっています。あたしはダメなまま・・・ここら辺が決定的に違いますがね(涙。


「勤め先の大阪支社から、月1の東京店への出張はグリーン車。バブルの時代だったので給料良すぎ。自分の仕事の内容に対して給料を貰いすぎと感じた。そのことに後ろめたさを感じ、どこかで見切りを付けなきゃと思ったのが会社を辞めた事の理由の一つ」
なんて真面目なんだ。真面目すぎる。やっぱり高村センセーって真面目なんだ。


「現実から逃げる為に、モノを書いた」
あぁ、一緒です、一緒ですヽ(^o^)丿  あたしも現実から逃げる為にこのサイトやってます。


「1番初めに書いた言葉は 《ガソリンスタンドが有った》 」
ここで会場から笑いが起きる。


「読者として読んでいた時に自分が良いと思っていた作品を書きたい。 『照柿』 以前は、自分の読みたい小説を書いていなかった」
えっ!! てことは、あたしが一番愛してる 『マークスの山』 は、駄作ってコト!? (そんなことは言ってない)。 コレ今までのインタビューの中でもさんざん高村センセー言ってますが、こうして生で聞くとやはりショック・・・・(涙。
※注) ここ、 「~以前」 の ~ってところを、ちゃんと聞き取れなかったんですが、たぶん 『照柿』 って言ったと思う (・・・・いい加減でゴメンよ)。



「3部作 ( 《晴子情歌》 《新リア王》 《太陽を曳く馬》 ) は、世間一般受けしない読みずらい小説だろうと自覚してます。でも自分が書きたいことはコレ」
すみません。 『晴子』 途中で挫折しました。 『新リア王』 (上巻だけ) 持っているけど、読んでませんm(__)m  自分が死ぬまでに必ず読みます(汗。


「自分がだんだん昔の高村では無くなっているという事は、自分では十分自覚している」
あぁ、それでもまた 『マークスの山』 の様な作品をっっーーー!!! と、諦めきれないあたしが居ます (T_T)


「読者に予想されたら負け。常に読者を裏切りたい。驚かせたいと思っている」
「しかし、ファンの皆さんが付いてきてくれるのはありがたい。本は人に読んでもらって初めて価値が出る」 みたいな事も言っていた。だいぶニュアンス違うかもだけど・・・なんせあたしのメモが高村センセーが喋る速さに追っつかないもんだからさぁ。               


「最近印象に残っている映画は 《アンダーグラウンド》 」
ふぅ~ん、観たコトねぇな。


「行き詰った時のリラックス方法は酒。お酒を飲んで全然違う事を考える」
150g量って飲んでる・・・・なんてことは無いよねぇ?


「最近ハマったのは 《トランスフォーマー》 」
会場爆笑。 


「カポーティの 『冷血』 は、10代の頃に触れた。60年代の醜い美しくないアメリカ。どうしようもないアメリカ。その時代のアメリカは今の日本にそっくり移し替えても、おかしくない。その侘しいアメリカを日本に移し替えた」
「説明の出来ない事だからこそ、書きたいと思った」
自身の書いた 『冷血』 について、高村センセーは、このような事を言っていた (・・・・・と思う)。 メモと自分の頼りない記憶を元に書いてるんで、かなりいい加減っす。ごめんなはれ。 しかし 「説明の出来ない事だからこそ、書きたいと思った」 この言葉は 『冷血』 を物語るのに核心をついた言葉ではないだろうか?などと勝手に思いこむあたし。 


「いずれは死刑になる被疑者に向き合った時、その重みに合田に向き合わせて立ちすくんで欲しかった」
これも 『冷血』 について聞かれた時の高村先生の言葉。 う~ん、重みのある言葉ですね。  


「私は大変、天の邪鬼なんです」
きゃー!! あたしもです! あたしもスッゴイ天の邪鬼なんです~。


「今 《日本一短い手紙》 というのがあるけれど、それに違和感を感じる。物事を簡単な言葉で言い表せるのは変」
そんなに簡単にひと言で言い表せないはず。相手に伝えるには (もっとこうなんと言うか) 重くてしんどくて大変で骨が折れる事、みたいなコトを言いたかったのかな思う。 (あいかわらずいい加減発言のあたし。この青字の部分は、あたしの思い込みが激しく、かなりいい加減な発言なんで軽く流してください。汗)。


「次は 『冷血』 とは全く違う作品になる。次 (の構想) は、なんとなくボーッと見えている。東日本大震災を経験しているのを踏まえて、大地について書きたい」
高村先生はもう次の構想は薄っすらとのようですが、出来ているようです。確か東日本大震災で津波に飲み込まれて行く大地を見いて、それを書きたいと思った、という様なことを言っていたと思います。 (ここら辺の記憶はかなり曖昧。違ったら申し訳ないっす)。


そして、この日一番盛り上がったのがコレ。
トークショー参加者からの 「合田シリーズは、合田さんが退職するまで続けてほしい」 という質問(?)に
高村 「がんばります」
ここで会場は拍手喝采。
高村 「合田が仕事に追われて退職しない様に、趣味を持たせて畑を耕させて頑張らせてます」
会場爆笑&拍手の波。会場内はこの日一番の盛り上がりを見せる。改めて合田人気を思い知る。さすが合田さん。森くんファンのあたしは、ちょっぴり疎外感を味わう(涙。 しかし、この発言がファンへのリップサービスでなければ、合田シリーズは続くという事。いや、高村先生は決していい加減なことは言わないだろうから、合田シリーズは最低限、合田さんが定年するまで続く筈。良かったですね~、みなさんっ!!


今回のトークショーでは、加納さんに関する発言は、高村先生の口からは残念ながらありませんでした(涙。
少なくともあたしの記憶にはありません。 (いくらあたしでも、そんな重要な発言があったら気付いてるハズ)。




~ 『冷血』 サイン会 & トークショーに参加しての感想まとめ ~


生で間近に見た高村先生は、すごくシャイで優しそうな印象でした。
あれ程の売れっ子作家にもかかわらず、驕ったところは全く無く、むしろ控えめで周りに気を遣う、気配りの人という感じでした。
サイン会でも、ひとりひとりに本当に丁寧にサインを書いてくれて、その姿からは誠実な人柄が滲み出ていました。
実際お逢いして、ますます大好きになりました。

*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

以上が、サイン会の様子やトークショーでの話しの内容です。
トークショーでの話しの内容に関しては、あくまであたしの汚い字で殴り書きしたメモと、頼りないうろ覚えの記憶を元に書いたモノで、かなりいい加減かも知れません。
自分の思い込みで書いている部分も多々あります。
もしかしたら、かなり事実と食い違うところもある可能性も大です。
そこら辺は、大きな心でお見逃しください。


今回のサイン会 & トークショー、とっても満喫出来て大満足の1日でした~




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