照り柿 (単行本) 読書感想記 ・ 1


                      ~ 第一章 女  より ~




「 追いますか 」 と森が無表情に階段口を顎で示した。「 その辺まで行ってみろ。所轄が来たら、任せればいい 」雄一郎は適当にそう応えた。
乗っていた電車で、人身事故に遭遇した合・森。一般の乗客がざわついているのを横目に冷静なふたり。普段、仕事で殺人事件とか扱ってるから人身事故ぐらいじゃ動じない? さすが、警視庁捜査一課の刑事って感じ。無表情な森と適当に応える合田さん。このクールな感じが萌えです


雄一郎は座席の窓を一つ開け、外に出ている運転手を呼び、黒地の手帳を見せて「 出してくれ 」と言った。 ( ~中略~ )  短い目配せ一つで、森の方は跨線橋へ走り去っていく。
黒地の手帳って、警察手帳だよねー!? け、けいさつてちょう!(涎)。 警察手帳片手の合田さん、カッコいいんだろうな~ それにしても、『短い目配せ一つ』 って~! この、合・森のアイコンタクト、萌えだわ~ 目と目で通じ合う~ 


そうして屈めた腰を再び伸ばすと、上を向いた額に何度目かの西日が当たった。その額がいやに冷たいと思ったとたん、急に血が下がって足が少しふらついた。 寝不足と日射病が重なる夏には、貧血がよく起こる。
貧血、雄一郎くんです・・(萌え~)。  夏に弱いのね。暑いからってちゃんと食べないとだめよ。豆腐ばっか食ってるから体力つかないんじゃない。たまには肉を食え、肉を!!  こんなんだから加納さんが心配するのね。心配で心配でしょうがないのね、祐介兄は。 ・・・しかし、日射病という言葉に時代を感じる。最近、日射病って言葉聞かないよね。今は熱中症。


人を睥睨する気はないが、人の前に立った自分の外面が、相手の目にどのように映るかは、自分が一番よく知っていた。よくて石。冷血動物で普通。悪くすれば、殴りつけたい豚だ。
えっ、自分を卑下し過ぎでしょ、合田さん。殴りつけたい豚って・・(汗)。 第三者から見たら、合田さんはイイ男なんじゃないの~? 達夫とか、山梨県警の佐野とか、吉原とか、秦野組長とか、根来とか、とか、とか。 ここら辺の男達の雄一郎評は、イイ男評価なような気がするんですけど・・・。 あと、加納兄とか、加納兄とか、加納兄とか。・・・(まっ、髙村先生がそういうことを言いたかったのではないことは十分承知していますので、あしからず)


ハンカチで額の汗を拭いながら、歩道を渡って森義孝が戻ってくる。三十一という年齢が過剰にも過少にも見える剛直一徹な男だが、夏の日差しの下ではやはり若さが勝っていた。
自分のことを、『石、冷血動物、殴りつけたい豚』 と過少評価する合田さん(整った顔しているくせに)。・・・ってことは、お蘭ちゃんの 『3枚目&ぺんぺん草』 も、合田さん評のようですから、もしかしたら、違うんじゃないのかしら? うんっ! そうに違いない、きっと、そうだ!! きっと、お蘭ちゃんは本当は、可愛いに違いない!!!(必死)


森がふと雄一郎の顔を見ていた。 「寝不足ですか」 と森は一言う。 ( ~中略~ ) そのせいで、口の悪い係の仲間に 《お蘭》 などと呼ばれているが、一日一緒にいても私語を交わすことはほとんどない。必要があれば、どちらも蓋の開かない貯金箱のように手探りで重さを探り合うだけのことだが、今の今、森のどこに相方の顔をそんなふうに窺う必要があったのか、雄一郎は分からなかった。
お互い、蓋の開かない貯金箱で、手探りで重さを探り合うかぁ、上手いこと言うな~、髙村薫。 髙村薫のこういった表現は大好きです。 しかし、どんだけ私語交わさないんでしょ、この二人。 毎日一緒にいるんだから少しくらいは会話しろよっ! それが人間ってモノだろっ。 って、毎日一緒にいたら、こんなもんかもね。 「あ~、うぜぇ、こいつ。たまには違う奴と組みてぇ」 みたいな。 特に夏の暑い日なんかは・・・。 で、実際離れてみると寂しくなっちゃったりするんでしょ? 合田さん?お蘭ちゃん? うふっ


実際寝不足には違いなかったし、ちょっとした理由もあった。係の仲間はみなうすうす察している。それを、本人に面と向かってちくりとつつく森という男は、この暑さのせいで、陰湿な意地悪女に化けたようだった。
ちょっとした理由って何? 係の仲間がみな、うすうす察しているその理由って? あたし分からないんですけど(汗)。貴代子?? 森くんだってただ普通に 「寝不足ですか?」 って聞いただけかもしれないのに、陰湿な意地悪女って(涙)。 ひどい言われようなんですけど・・。 こうしてお蘭は、ますます無口になっていく・・・不憫だ、お蘭ちゃん




                        ~ 次ページへ続く ~





                                                              目次へ  次ページ  HOME



                                                               2014.08.30 UP



inserted by FC2 system