~ 亀有署、第一病院、昌明通商店街、さかき (マークスの山) ~
高村薫の「マークスの山」に出てくる、高村ファンには聖地ともいえる(のか?)「さかき」。
原作当時から20年以上経過しているのですが「さかき」は今もまだ実存しているのか?
ということで、「さかきは今?」をテーマに行ってきました、東京都葛飾区金町。
十中八九、さかきはもう無くなっていると思っていたんですが、果たして・・・・・
※注) 写真は「マークスの山」当時のモノではなく、2015年10月現在のモノです。
JR金町駅周辺。
ちなみに、金町駅はこのJRと京成線があります。
JR金町駅と京成金町駅とは道路を隔ててすぐの距離。
ということで、ここから地取り開始です。
まずは、高木真知子銃撃事件の捜査本部が立った亀有警察署。
「おう、ナニワ合田のお出ましか。今ごろ七係全員、首洗って観念してるところだろうと思ってたが」
亀有署の会議室のテーブルで、朝っぱらからコンビニエンスストアの握り飯を食いながら
本庁第二強行犯捜査三係の岡村警部補は太鼓腹を揺すった。
【マークスの山/単行本 P314】
ふだん、あだ名で呼ばれることの無い合田さんが「ナニワ合田」と呼ばれる萌え場面の舞台となった『亀有署』
この亀有署で、合田さんは真知子銃撃犯の山口と佐多の取り調べをした。
ブラインドの羽根の隙間から、署の前の道路に立っている森義孝の姿が見えた。時刻は午前七時四十五分。
【マークスの山/文庫本 下 P140~141】
文庫本では、合田さんは亀有署に森くんを呼び出し落ち合ってます。
亀有警察署。 手前に走るのは、水戸街道。
合田さんは、この亀有署のどこかの窓のブラインドの隙間から覗いて、森くんを確認したのだろう。
どの窓だったんだろう?
亀有署を角度を変えて撮影。
想像していたより立派な建物だった。
本当は、玄関口を正面から撮りたかったのですが立ち番のお巡りさんが睨みを利かせていたので、怖くて撮れなかった(涙)
亀有警察署は、最寄り駅の金町駅から歩いて十数分というちょっと不便な場所にあります。
金町地取りの最後に訪れた場所なので、かなり疲れ切ってよたよた歩いたので金町駅からあたしの足で約15分かかりました。
合田さんや森くんの足だったら、10分ぐらいで行けるんじゃないかと。
ただ、金町駅前から都バスが出ていてバスに乗れば3駅で着きます。
ちなみに、降りるバス停名は『亀有警察署前』。
少しでも楽をしたいあたしは行きは都バスで行きました。
バスは水戸街道を通っていくのですが、この道路かなり交通量が多い。
渋滞に巻き込まれたら歩いた方が早いかも。
亀有警察署の前を通る水戸街道。交通量が半端ない。
マークスの恋人、高木真知子の勤務する第一病院。
金町駅を降りてしばらく歩くと、この案内標識が!
「おっ!第一病院、本当に有るんだ!!」と胸がときめく。
駅から案内標識が100mおきぐらいに出ていて迷わず来れました。
木が邪魔~。 木が邪魔で病院の外観がよく見えねぇじゃねぇかぁぁ
第一病院玄関口。 右に見える白い扉は夜間緊急入口。
緊急玄関口。
水沢と真知子が、(たぶん)ここ(と思われる)から出てきたところを銃撃されて、真知子が銃弾に倒れる。
昌明通商店街。
合田は中に入るのは遠慮し、しばらく近所をうろついて時間を潰した。病院とは反対方向へ二、三分も歩くと《昌明通商店街》という看板のかかった狭い通りに出てしまった。
【マークスの山/単行本 P324】
昌明通商店街も実際に有りました~!
金町駅から歩いて2~3分程かな。
けっこう長く連なった商店街でしたが、そんなに活気は感じられずちょっと寂しい感じだった様な・・・
あんまり、商店街って感じではなかったです。
さて、今日の最大のメインイベントである「さかき」ですが・・・・・
まだ、「さかき」はあるのでしょうか!?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(超、もったいぶる)
(引っ張るぜぃ)
ありました~~~~~~~!!
さかき!!
数十歩歩くうちに、突然足が止まった。すぐ傍らで電車の轟音が聞こえた。見ると、左側に折れた細い路地はガード下へ続き、その上を常磐線の電車が走り抜けていく。ガード脇に《さかき》という看板。
【マークスの山/単行本 P325】
「マークスの山」原作を頼りに金町周辺を捜したのですが「さかき」は全く見当たらず
「やっぱりもう無いんだなぁ」と9割がた諦めかけたんですが、ふとスマホを持っていることを思い出し
スマホでダメ元で『さかき 金町』で検索してみたら「さかき」っていう寿司&居酒屋が出てきて
お店の住所も、金町6丁目とある。
「これ、そうなんじゃない?間違いないんじゃない?行ってみよう!」と思ってスマホで調べた住所を頼りに行ってみたらあった!!
これが、現在の「さかき」。
「マークスの山」の時とはだいぶ違っていると思う。
この「さかき」がある場所は、常磐線のガード脇じゃない。
たぶん、「マークス~」の時から場所も移転してお店も新しく立て直したんだと思う。
「さかき」全体はこんな感じ。
小さなビルの1階に店舗を構え、ずいぶんとこじんまりした感じになってますね。
開店前ということもあって暖簾も掛かってないせいか、うっかりすると見落としてしまいそうな感じです。
実際あたしも、気付かず通り過ぎてしまって戻ってやっと「さかき」を発見しました。
でもほら、間違いなく「さかき」でしょ。
メニューが入り口前に置いてありました。
開店前の様でビニールが被せてあって見づらいのですが、うんっまさにお寿司屋さんっぽい品揃えじゃないですか。
さかきのある通り。
この通り沿いに、さかきは在ります。
「マークスの山」の原作にある常磐線のガードは近くに見当たらない。
さかきのまわりの風景も原作のイメージとはかなり違いました。
「マークスの山」当時は、さかきは常磐線のガード脇辺りにあったんだろう。
(ちなみに、「さかき」の営業時間は食べログによると17:00~翌02:00だそうです)。
おまけ画像
さかきの営業時はこんな感じみたいです。
(画像は食べログより)
さて、以上で ぷち地取り ~ マークスの山/金町編 ~ 終わりです。
今回の地取りは何と言っても「さかき」が実在したことが一番嬉しかった。
「十中八九、もう、さかきは無くなってるだろうな~」と思っていたので、「さかき」を見つけた時は
もうホント感動した。
「さかき」の前で、ひとり喜びの舞を舞ってしまうほど嬉しかった。
とは言うものの、現在(2015年10月)の「さかき」は、「マークスの山」の頃の「さかき」とは建っている場所も違うし、お店の外観もまったく違うものになっていると思います。
しかし、合田さんが見た「さかき」とは違うけど、20年以上経った今でも「さかき」が存在していたのは
嬉しいじゃあ~りませんか~。
はぁ、それだけで今回の地取りはお腹いっぱい。
と、ういことで
今回は、亀有警察署行くのに迷って無駄に歩き、さかきを探し求めて無駄に歩きで、ホントすげぇ歩きまくった。
何の計画性も無く、思い付きで「行けば何とかなんだろう」的に地取りをするのでこうなるんだろうなぁ(反省)。
もし次、地取りをやるとしたら少しぐらいは下調べして行こうと思いました。
地取り日 / 2015.10